私ども社会福祉法人井ノ口会は、1984年に当時の厚生大臣より設立認可を得て、翌年に「特別養護老人ホーム 瑞光苑」を岐阜市北部の網代の地にて開設いたしました。その後も皆様から格別のご支援をいただきながら「さくら苑」「エトワールずいこう」「フレンドリーおりべ」「すいと大垣」「あんずの里」と施設を開設し、現在6つの施設を有する法人として事業展開させていただいております。井ノ口会には「苑訓」があり、そのひとつに「己にきびしく 老人には優しく 手をひろげ 心をひらいて接しよう」があります。老人福祉事業において当然のようでいて、常にそうあるのは難しいこの一節を、最も大切なことのひとつとして法人設立当初より役職員が事業運営に携わって参りました。
我が国における社会福祉法人制度の起源は1951年の社会福祉事業法の施行であり、既に60余年が経過いたしました。その間には、高齢者介護の分野において様々な変遷を経るとともに、2000年の介護保険法施行に伴い、株式会社などの多様な事業主体が参入してきました。そうしたいわば営利法人と共存・競合する介護保険事業の中にあって、同時に社会福祉事業という公益性の高い事業の担い手という使命が厳しく求められる私ども社会福祉法人は、常にその役割、社会の期待、そして責務の重大さを心に刻み、法人運営を進めて行かなければならないと考えております。
ご利用者のニーズも多種多様化してきており、数多あるサービスと事業所から要介護状態や家庭の状況、経済的な事情などにより選択されます。しかし、そうした中においてもご家族やご親族などの継続的な支援と連携が重要であることには変わりありません。それは、介護は「現在」という点ではなく、ご利用者お一人お一人が生まれてから生涯を閉じるまでの「人生」という線の上にあるからです。
誰もが迎える「老い」
老いてからの「人生」が長くなっている我が国においては、同時に介護を必要とする「人生」も長くなって参ります。その長い人生の大切なひと時を、「井ノ口会グループを選んで良かった」と思っていただける介護サービスを提供させていただけますよう、ご利用者の尊厳を大切にして一層の研鑚を重ねて参ります。
真心の通じ合う真の社会福祉を求め、これからも全力を注いで参りますので、皆様のご指導のほど宜しく御願い申し上げます。